ウランガラス


■ウランガラスとは?■

ウランガラスとは、1830年代、ボヘミアで発明された
黄色の色を出す為に、着色剤として微量のウランを使用したガラスです。
紫外線に反応し、鮮やかに輝くのが特徴です。

ボヘミアをはじめ、ヨーロッパ、アメリカ、日本でも作られていましたが
戦後、様々な理由で作られることは減りました。

ウランガラスで作られた花器や食器、ランプシェードなどは、
アンティークコレクターにも、大変人気があります。



■ビーズとしてのウランガラス■

ビーズとしてのウランガラスで代表的なのは、こちら。
ヴァセリン玉
(または、ヴァセリン)と呼ばれているビーズです。





1830〜1900年代初頭、ボヘミアで作られていたビーズです。
この色が、黄色いワセリン(ヴァセリン)クリームの色に似てるので、ヴァセリン玉と呼ばれます。

鋳型で形成され、手仕事で仕上げて居る為、古いものは、穴の開け方に特徴があります。
同じビーズですが、上下で違う穴の大きさに注目!

こんな風に、穴が開いています。


この2点も1800年代に作られたビーズで、同じように円錐形に穴が開いたタイプです。
キューブに整えられた形や、側面に施されたカットにも、確かな技術力を感じます。

こちらは、1800年代ヴァセリンの蜜柑玉です。
丸いビーズに、穴側から中心に向かって、溝を彫ったのでしょう。
左の玉は・・・ちょっと途中で止めちゃった?
そんな様子が垣間見えて、とても愛おしい玉です。

ガラスを削るにしても、今のような機会があったわけではない時代。
一粒を仕上げるのに、今よりももっと、技術も時間も必要だったのではないでしょうか?

沢山の手間を掛けて作られ、アクセサリーに仕上げられたヴァセリン玉。
使い込まれ、擦りガラスのようになった表情が柔らかで、落ち着きを感じます。
一粒一粒、微妙に違う大きさも、(アクセサリー制作には、悩みの種ですが)
作品に、豊かな表情を与えてくれます。


ボヘミアで作られたプロッサービーズ(型ガラス)にも、ウランを含むものがあります。

カカンバ 1900年代
ウェディングビーズ 1900年代

カラフルな色合いが多いプロッサービーズ。
楽しく、使いやすいビーズが一杯です♪


その後、機械化が進み、量産されるようになると、
ウランガラスでも、様々な色・形が作られるようになりました。
下でご紹介するのは、1900年代初頭〜中期に作られた
ヴィンテージビーズです。

ペパーミントに白。
一見ウランガラスっぽくないけど
ウランガラスです。
お花の形のウランガラス。
可愛い♪の一言。
まったりとした色合いが
素敵です。
はっきりとした緑を活かして
印象的に。
こちらは、ハンドカットで仕上げたヴィンテージビーズ。
柔らかな煌めきも、蛍光発色する姿も、
一言では言い表せない美しさです。

ウランガラスの色は、代表的な黄色、緑のほか、
オレンジ・ピンク・ブルー・白などもあります。



■ウランガラスに含まれる放射能について■

「ウラン」の言葉に、不安を感じる方もいらっしゃると思います。
ビーズに含まれるウランの量は、極々微量ですし、ガラスに閉じ込められている為
ウランガラスを手にすることで、影響を受けるようなことはありません。
安心して、お使いください。



■自然光でも美しいウランガラス■

ブラックライトの光で、蛍光発色するのが特徴のウランガラスですが
作られた当初は、ブラックライトなんてありません。
「黄色いガラス」として作られたビーズは、太陽光の下でも美しく輝き
人々を魅了していたのではないでしょうか?



こちらは、アジアの少数民族に伝わっていたネックレス。(19〜20c初頭)
ヴェネチアの金赤ホワイトハートと共に、ヴァセリン玉をつないでいます。
艶やかな赤いガラスと、内側から輝くように光る黄色いウランガラスのネックレスは
自然の光の中でも、とても美しく人々を飾っていたことでしょう。



ブラックライトを浴びて、暗闇で妖艶に輝くウランガラス。
その不思議な輝きと共に、
自然光で清々しく輝く色合いも、ウランガラスの魅力だと思います。

ガラス職人の技術に支えられた二つの魅力。
この魅力的な輝きを放つウランガラスを、是非お楽しみください。



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